マルチキャスト ルーティングについて
マルチキャスト ルーティングは、一対多トラフィックの効率的な配信を可能にするネットワーキング方法です。ライブ ビデオ会議などのマルチキャストの発信元は、トラフィックをマルチキャスト グループに単一のストリームで送信します。マルチキャスト グループにはコンピュータ、デバイス、IP 電話などの受信者が含まれています。
これらのテクノロジーの一般的な使用例は次のようなものです:
- Voice over IP (VOIP)
- ビデオ オン デマンド (VOD)
- ビデオ会議
- IP テレビ (IPTV)
Firebox でマルチキャスト ルーティングを有効にすると、Firebox はローカル マルチキャスト ルータとして機能します。発信元からネットワーク上の受信者にマルチキャスト トラフィックが転送されます。
仕組み
マルチキャスト ルーティングはプロトコル インディペンデント マルチキャスト (PIM) プロトコルを使用します。このプロトコルには様々なバリエーションがあります。お使いの Firebox は、ごく少数のデバイスがマルチキャストに登録している場合に使用される PIM スパース モード (PIM-SM) をサポートしています。これらのデバイスは マルチキャスト受信者 です。受信者は世界中のどこにでも、どのネットワークにも存在する可能性があり、マルチキャスト グループ 論理グループを構成します。
この図では、サーバーはマルチキャストトラフィックをルータおよび Firebox を通じて送信します。Firebox はマルチキャスト トラフィックをローカルネットワーク上のマルチキャスト グループに転送します。
PIM-SM モードでは、マルチキャスト ドメインの中心点はランデブー ポイント (RP) です。RP はマルチキャスト グループ向けのマルチキャスト トラフィックを受信するルータです。すべてのマルチキャスト トラフィックは RP を通過しなければなりません。
マルチキャスト発信元または受信者にさらされているものを除くすべての Firebox インターフェイスを、マルチキャスト ルーティングに関与する RP 候補として有効にする必要があります。Firebox をRP 候補として有効にすると、Firebox は定期的にその RP 候補ステータスを PIM-SM ネットワークに伝達します。Firebox での RP 選出は動的に行われます。
マルチキャスト ルーティングを有効化した後、Any-Multicast のエイリアスと、次の 2 つの新規のポリシーが構成に追加されます:
- MR-PIM-Allow
- MR-IGMP-Allow
マルチキャスト ポリシーでは以下のオプションしか指定することができません:
- 受信インターフェイス
- 発信元 IP アドレス
- 宛先 IP アドレス
- プロトコルとポート
マルチキャスト ルーティング サポート
マルチキャスト ルーティングは混合ルーティング モードのみでサポートされています。
インターフェイス
マルチキャスト ルーティングは以下の Firebox インターフェイス タイプでサポートされています:
- 物理的
- VLAN に割り当てる
- ブリッジ
- リンク集約
- ワイヤレス
- BOVPN 仮想インターフェイス
マルチキャスト ルーティングは最高 31 までのインターフェイスで有効にすることができます。IPv4 がサポートされています。IPv6 はサポートされていません。
ゾーン
マルチキャスト ルーティングは以下の Firebox ゾーンでサポートされています:
- 外部
- 信頼済み
- 任意
- カスタム
FireCluster
アクティブ/パッシブ FireCluster でマルチキャスト ルーティングを有効にすることができます。
マルチキャスト ルーティング プロトコル
Firebox は次のマルティキャスト ルーティング プロトコルをサポートしています:
- PIM スパース モード (PIM-SM)
- PIM 発信元固有のマルチキャスト (PIM-SSM)
- IGMP v2 および v3
例
これらの図は、RP 候補として構成された Firebox インターフェイスのネットワークの例を示しています。スイッチがルータと受信者の間にある場合は、そのスイッチは IGMP スヌーピングをサポートしている必要があります。
例 1
この例では、ローカル ネットワークにマルチキャスト ルーティングが構成されている Firebox が 1 つあります。外部インターフェイス eth0 は RP 候補として有効にされています。ルータでは、Firebox に接続されているインターフェイス eth1 は RP 候補としても有効にされています。
例 2
この例では、ローカル ネットワークにはマルチキャスト ルーティングが構成されている Firebox が 2 つあります。両方の Firebox 上の外部インターフェイス eth0 は RP 候補として有効化されます。Firebox 1 の信頼済みインターフェイスも RP 候補として有効化されます。ルータでは、Firebox に接続されているインターフェイス eth1 は RP 候補としても有効にされています。
マルチキャスト ルーティングの詳細については、RFC 5110 を参照してください。PIM-SM の詳細については、RFC 7761 を参照してください。