Branch Office VPN トンネル経由でマルチキャスト ルーティングを有効化する

Branch Office VPN (BOVPN) トンネル経由のマルチキャスト ルーティングを使用して、Firebox に保護されたネットワーク間の一方向マルチキャスト ストリームをサポートすることができます。例えば、BOVPN トンネル経由でマルチキャスト ルーティングを使用すると、video on demand (VOD) サーバから branch office VPN トンネルの反対側にあるネットワーク上のユーザまでのメディアをストリームすることができます。BOVPN トンネル経由のマルチキャスト ルーティングは、Firebox 間でのみサポートされています。

BOVPN トンネル経由でマルチキャスト ルーティングを有効にすると、トンネルは、トンネルの片側の 1 つの IP アドレスから 1 つの IP マルチキャスト グループ アドレスにマルチキャスト トラフィックを送信します。トンネルにマルチキャスト設定を構成すると、マルチキャスト トラフィックをトンネル経由でこの IPマルチキャスト グループ アドレスへ送信できます。

マルチキャスト設定を各 Firebox で別々に構成しなければなりません。1 つの Firebox のトンネルがトンネル経由でマルチキャスト トラフィックを送信するように構成し、マルチキャスト トラフィックを受信するように他方の Firebox のトンネル設定を構成する必要があります。開始 IP アドレスはトンネルごとに 1 つだけ構成できます。

BOVPN 仮想インターフェイスや、仮想インターフェイスの一部として構成されていない BOVPN トンネルでは、これを構成する手順が異なります。

  • BOVPN 仮想インターフェイスとして構成されていない Branch Office VPN トンネルの場合は、トンネル設定でマルチキャスト ルーティングを構成します。
  • BOVPN 仮想インターフェイスの場合は、BOVPN 仮想インターフェイス設定でマルチキャスト ルーティングを構成します。

Fireware v12.4 以降では、BOVPN ゲートウェイ構成で IPv6 アドレス 設定を選択した場合のマルチキャスト ルーティングはサポートされていません。

ヘルパー アドレスについて

BOVPN 仮想インターフェイスではない BOVPN トンネルでマルチキャスト ルーティングを有効化するには、ヘルパー アドレスを構成する必要があります。Firebox は、IPSec BOVPN トンネル内のブロードキャスト/マルチキャスト GRE トンネルの endpoint としてこれらの IP アドレスを使用します。任意の未使用の IP アドレスにローカル IPおよびリモート IP を設定できます。ローカル ネットワークまたは Firebox が接続するリモートネットワークで使用されていないプライベート IP アドレスを使用することをお勧めします。

ヘルパー IP アドレスは、ローカル ネットワークまたは VPN 経由で接続されたリモートネットワーで使用されていないプライベート ネットワーク IP アドレス範囲内から選択することをお勧めします。この推奨事項により、他のデバイスとアドレスの競合はなくなります。プライベート ネットワークの範囲は次の通りです。

192.168.0.0/16

172.16.0.0/12

10.0.0.0/8

複数の Branch Office VPN トンネル内でブロードキャストまたはマルチキャスト ルーティングを有効にする場合、必ずトンネルごとに異なるペアのヘルパー IP アドレスを使用してください。

FireCluster でブロードキャストまたはマルチキャスト ルーティングを有効にする場合は、その IP アドレスがクラスタ インターフェイス IP アドレスやクラスタ管理 IP アドレスと競合しないようにしてください。

BOVPN トンネル経由のマルチキャスト ルーティングを有効にすると、Firebox により、ネットワーク間の IPSec VPN トンネル内に GRE トンネルが作成されます。Firebox は GRE トンネル経由で、マルチキャスト トラフィックを送信します。GRE トンネルでは、トンネルの両側で未使用の IP アドレスが必要です。BOVPN トンネル両端のヘルパー IP アドレスを構成する必要があります。

複数の BOVPN トンネル内でブロードキャストまたはマルチキャスト ルーティングを有効にする場合、必ずトンネルごとに異なるペアのヘルパー IP アドレスを使用してください。

BOVPN 仮想インターフェイスにはすでに GRE トンネルが含まれているため、BOVPN 仮想インターフェイス経由でマルチキャスト トラフィックを送信する場合は、ヘルパーアドレスを構成する必要はありません。BOVPN 仮想インターフェイスの場合は、Firebox は仮想インターフェイスの IP アドレス(構成されている場合)または GRE トンネル endpoint の Firebox の外部インターフェイスの IP アドレスを使用します。

トンネル経由でマルチキャスト トラフィックを送信するように Firebox を設定する

マルチキャスト トラフィックの送信元となる Firebox で、トンネルの構成を編集し、デバイスが BOVPN トンネル経由でマルチキャスト トラフィックを送信できるようにします。

トンネル経由でマルチキャスト トラフィックを受信するように Firebox を設定する

マルチキャスト トラフィックを受信させるネットワーク上の Firebox でマルチキャスト設定を構成して、デバイスがトンネル経由でマルチキャスト トラフィックを受信できるようにします。

トンネル経由でマルチキャスト トラフィックを受信するように Firebox を構成する方法の例については、次を参照してください:BOVPN トンネルを経由したマルチキャスト ルーティング

BOVPN 仮想インターフェイス経由でマルチキャスト トラフィックを送信するように Firebox を設定する

マルチキャスト トラフィックの送信元となる Firebox で、トンネルの構成を編集し、デバイスが BOVPN 仮想インターフェイス経由でマルチキャスト トラフィックを送信できるようにします。

BOVPN 仮想インターフェイス経由でマルチキャスト トラフィックを受信するように Firebox を設定する

マルチキャスト トラフィックを受信させるネットワーク上の Firebox でマルチキャスト設定を構成して、デバイスが BOVPN 仮想インターフェイス経由でマルチキャスト トラフィックを受信できるようにします。

関連情報:

トンネルを定義する